ミニFMって何?

 ミニFMとは、免許や申請が不要な微弱電波を使用した簡易FM放送局のことを指します。

 限られた出力内(*1)であれば、誰でも自由にFMラジオ局を開局することができます。
 サービスエリアは非常に狭いですが、電波の届く範囲内ならば好きな内容の音楽や番組を自由に放送できます。もちろん送信した放送は普通のラジカセやコンポ、カーステレオなどで受信が可能です。近所の友達同士でミニFM局を開局するのも面白いかもしれませんね。

 日本でミニFMがブームになったのは1980年代。当時の若者の間でかなり流行ったそうです。管理人はまだ生まれたばかりでしたので当時の様子は残念ながら知りません・・・。
 当時の様子を映画化した「波の数だけ抱きしめて」(ホイチョイプロダクション)(*2)もテレビでたまに放映されていますのでミニFMの存在をなんとなくご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 現在はインターネットラジオ(*3)などに移行しているミニFM局も多いですが、まだまだ地上波の放送を続けている局はたくさんあります。ネット経由で音声データを配信するのは簡単で、音質も良いですがやはり実際に自分の放送を電波にのせて、ラジオで受信するのは楽しいものです。

 特に音質や電波の飛距離にこだわらなければミニFMで使用できる送信機は数千円で販売されていますので、手軽にミニFM放送局スタッフの気分が味わえます。

 最近、「コミュニティFM」(*4)という言葉をよく聞きますがこれはミニFMとは全く異なるもので、”主に地方自治体や企業が地域に密着した情報を提供する、本物のラジオ局よりは規模が小さいFM局”という位置付けです。
 規模が小さいといってもコミュニティFMはミニFMとは比べ物にならないぐらい大きな出力で放送しますし、サービスエリアは送信所より半径10km〜20kmは余裕でカバーします。

 ミニFMは免許不要ですので、限られた範囲での放送しか許されていません。もっとも良いコンディションであっても電波の到達距離は150m〜300mがやっとでしょう。
限られた範囲で、どれだけ多くのリスナーを獲得するかを思案するのも面白いものです。

 ぜひ、あなたもこの機会にミニFMを始めてみませんか?

(*1)限られた出力内
 FMラジオが使用している周波数帯での微弱電波の定義は、規定された送信設備のアンテナから3メートル離れた地点での電界強度が500μV/m以下の状態を言います。
 これだけではピンときませんが、具体的に説明すると障害物がない状態で普通のラジカセで放送を受信し、送信アンテナから半径100メートル〜150メートルの範囲で受信できる状態がほぼ同等と言えます。
(*2)波の数だけ抱きしめて
 1991年 ホイチョイプロダクション製作 出演:織田祐二 中山美穂 別所哲也ほか
 湘南のサーフショップのミニFM局「Kiwi」。まだ民放のFM局が少なかった当時、
 地元の大学生がサーフショップのスタジオより放送を行う。
 「Kiwi波情報」「交通情報」など地域に密着した放送でサーファーからドライバーまで
 幅広いリスナーを獲得する。
 そんななか、友人がアルバイトしている辻堂まで放送が聴けるよう中継局を作りサービスエリアを伸ばしていく。話がどんどん進み、スポンサーが付き、大掛かりなスタジオまで作ってしまうというストーリー。

 〜 以上パンフレットより。
 ホイチョイプロダクション3部作の中で一番人気がなかったそうですが(苦笑)私は一番この作品が好きです。 ・・・詳しくは実際に映画を見てください。レンタルビデオ屋でもよく見かけます。
(*3)インターネットラジオ
 インターネットを利用し、ストリーミングなどで番組を提供するラジオ局のこと。
 インターネットが接続できる環境ならば地域にとらわれず、いつでもどこでも聞くことができるのが最大のメリット。現在はこちらのほうがミニFMよりも活気があります。
(*4)コミュニティFM
 平成4年1月に郵政省により制度化された市町村レベルに開設するFMラジオ局の総称です。「コミュニティ放送局」と呼ばれることもあります。
 送信出力は20wまでで、ある程度の市町村はほぼカバーできるレベルです。コミュニティFMのコンセプトは「地域密着型のメディア」。商用局にはない地域に密着した情報や、地域住民による自主製作番組の放送、災害時の緊急連絡用など幅広い状況での活躍が期待されています。

 全国にあるコミュニティFM放送局の一覧表はこちら(http://www.jcba.jp/list.html)です。
 あなたの町にも今まで知らなかった放送局があるかも?

 参考URL:日本コミュニティ放送協会(http://www.jcba.jp/)